1996/11/15
Weekend Theater ID:18
皆様の一服の清涼剤、おなじみウイークエンドシアターの時間です。
お楽しみください。
ハードボイルドOL
伊集院 涼子シリーズ
第3回
「誤解」
「伊集院君。君の暗号解読の手腕を買って、
合衆国大使館から、是非協力をと頼まれた。
英語は大丈夫だったね。内容については
大使館のエージェントアリスから
詳しく聞いてくれ。」
涼子は今朝いわれた社長の言葉を
思い出しながら、大使館に向かった。
大使館ではエージェント・アリスと、
政府の高官や軍事関係の高官らしき人物達
が大勢待っていた。
「ミス伊集院。助かります。実は第三国から
大陸間弾導弾の標的を設定した暗号を
入手したのですが、デコーディングに
困っています。早速取りかかって
いただけますか。」
涼子はアリスが用意してくれたワークステーション
を使い、解読に取りかかった。彼女がキーボード
をたたく姿を、政府の高官達が緊張した雰囲気で
見守った。涼子は標的の名前が記述されているはずの部分が
なかなか解読できなかった。その部分だけ
どうしても文字化けしてしまう。だが、彼女は
その文字化けした記号じっと見てピンと来た。英文
の暗号にその部分だけ日本語が使われているのだ。
「仮名だ!」
思わず日本語で叫んだ涼子は、それを聞いて
右往左往する政府高官の誤解を解くのに30分かかった。
※実在の人物、団体、事件、商品とは関係ありません。