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1996/11/08
Weekend Theater ID:17

皆様の一服の清涼剤、おなじみウイークエンドシアターの時間です。
お楽しみください。

ハードボイルドOL
伊集院 涼子
第二回
「事件」


涼子の所属は泣く子も黙る「社長室秘書課」。
キャリアと言えば聞こえはいいが、
年月を「キャリー」してきた強もてが
無言の火花を散らしていた。

今日は社長の様子が普段と少し違っていた。
何か大きな事件の情報が入ったのだろうか。
課の空気がピリピリしていた。
もし海外からの重大情報だとしたら、涼子の
腕の見せ所だ。何しろ重大情報は漏洩を恐て、
特殊暗号を使ったデータ通信でやってくる。
コンピューターを使った暗号のデコーディングは涼子の得意分野だった。
「伊集院君、今日大事な情報がアーカイブ
(暗号情報のこと)されてくる。さっき
ワシントンからホットラインがあった。
デコードを急いで頼む。」
「わかりました。」
涼子は周りの舌打ちをよそに、クールに仕事
にかかった。デコードしている涼子の手が
珍しく震えた。英文に戻された情報はペンタゴンオリジンだった。潜水艦事件に業を煮やした韓国軍が、36゜線以南の海岸線を封鎖する準備をしているとの衛星情報だ。会社は韓国の現代グループと石油化学コンビナートを計画中だ。このままではいつか何処かの商社の「イラン石化」の二の舞になってしまうかもしれない。
社長「何が起きた。」
涼子「コリャ、また大変です。」
不覚にも社長と涼子は、このやり取りを3度も繰り返してしまった。








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