年代へJump
1997/01/17
Weekend Theater ID:27

お待ちかね、一服の清涼剤。
ご存じ金曜ホラー劇場。
お楽しみください。

ハードボイルドOL
伊集院 涼子シリーズ

第九回
「地下鉄」


「いいだろう。考えをまとめて今度は私が
出向こう。」
サー・オッペンハイマーは社長の熱意に
動いた。彼は日本での回答を欲した。
「岩」と云われた彼を動かした事で、
涼子達は一応の成功を見た。
サーは日本好きらしく、日本では一人
地下鉄を使って会社まで来るという。
涼子は彼の使うホテルから、会社までの
乗り換え駅をメモして彼に渡した。
「サー、地下鉄はここでこの線に乗り換えて下さい。」

三週間後、時間に正確なはずの彼は、40分遅れて来た。
彼は疲れたように美しいクイーンズイングリッシュで言った。
「涼子、私は自分の日本語を過信していたよ。」
「何かありましたか。」
「地下鉄で乗り換えを聞くと、皆ホームの小さな売店
に連れていくんだ。最初は分からず言われるままに
お金を出してしまった。切符が必要なのかと思ったからね。
だが、5回めに売店のおばさんが気付いて教えてくれた。」
そう言いながら彼はヤマト糊を4つもポケットから出した。
涼子は驚いて聞いた。
「サー!日本語でなんて乗り換えを聞いたんですか!」
「ドコデ ノリ カエマスカ?」






※実在の人物、団体、事件、商品とは関係ありません。
All rights reserved by NY