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1997/02/28
Weekend Theater ID:33

お待ちかね、一服の清涼剤。
ご存じ金曜ホラー劇場。
お楽しみください。

ハードボイルドOL
伊集院 涼子シリーズ

第13回
「料理」


社長の素晴しいアイディアの勝利で、
サー・オッペンハイマーは首を立てにふった。
契約成立である。あとは互いにプロジェクトチーム
を結成し、実務を完成させるだけだ。
サー・オッペンハイマーは 契約成立のお祝いに
社長が提案したパーティを断わり、
涼子と居酒屋に行くと我儘を言った。
彼に危険が及ばない限り一切干渉しないように
訓練されたSPが、本人に気が付かないように
取り巻いているとはいえ、危険な所に行きすぎるようだ。

居酒屋は混んでいたが、涼子とサー・オッペンハイマー
はカウンターに2つ席を確保した。
涼子の隣にヤクザ風の、嫌な目付きの男が座っていたので
ちょっと気になったが、そこしか空いていなかった。
案の定涼子を見るとその男、酔っているのか下品な事を言い始めた。
サーは脳天気に、写真付きのメニューを喜んで見ていた。
尤もサーにはその下品な日本語は理解できないが。
メニューには、料理の名前のローマ字が付いていたので、
サーは自分でオーダー出来ると益々喜んだ。
「涼子、私はこれにするよ。ええっと・・ち・・?ち・?」
涼子のとなりの男はますますエスカレートしてきた。
涼子が怒鳴り付けようとしたとき、サーが大声を出した。
「チンピラ!」
その男はあっというまにSPに連れ去られてしまった。
今ごろはかわいそうな事になっているだろう。
キョトンとしているサーにウインクをして、涼子は言った。
「サー、今のオーダーちょっと発音が違いましたわ。その料理、
『きんぴら』です。」





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