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1999/07/30
Weekend Theater ID:160

さて、今週もいよいよ週末。
一週間お疲れ様でした。
忙しい中、一服の清涼剤。
ご存知、金曜ホラー劇場。
お楽しみください。

ハードボイルドOL
伊集院 涼子シリーズ

第47回

「ドクター」

「ドクター・リーバイス!」
再び彼の研究所を訪れた涼子は、庭の向うでやはり泥だらけになっている
ドクターを見つけて声を掛けた。
「やあ。久しぶり。涼子君。」
泥だらけの顔をあげ、人なつっこい笑顔でドクターが答えた。

「これがこの1年の成果だよ。発育促進の方法がもう少しで完成するんだ。」
涼子は目を疑った。そこには大きな檻があり、中に中型犬くらいの羊が何匹かいた。
「これは・・・。」
「そう。クローン羊。まだ大きくなれないけど。」
「じゃあドリーと同じ・・・。」
「いや。ドリーは皮膚のDNAの借り腹クローンだが、
この子たちはこれを試験管で培養した。」
彼は着ていたサマーセーターを引っ張った。
「何ですって!そのウールから培養したんですか!
それじゃあドリーどころじゃあない!」
冷静な涼子もさすがにうろたえた。
「そう。だからこの子たちに『ムリー』って名を付けた。」
「?ムリー?なぜ?」
「だって『ムリーが通ればドリー引っ込む』って言うじゃない。」





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