「どうしても、会わなきゃなんねー。」そう男が言い残して村をでてから、かれこれ1年半が過ぎようとしていた。世紀の超能力者、「空海」を尋ね、何年も続く飢饉と戦を彼の能力で止めてもらおうと思い立ち、男は全ての財産をこの旅につぎ込んだ。ことごとく、男が見こんだ場所で出会える僧は、全て伝説の「空海」では無かった。だが、資金が尽きてもう1ヶ月になる。もう、その旅もいよいよ最後となった。男は1週間満足に食べていなかった。男が最後に選んだ場所で修行する僧は、今までで一番みすぼらしかった。男はこれも違うだろうと落胆したが、最後の力を振り絞ってその僧にたずねた。「あなたは…。」そのとたん、男の腹が空腹にうめいた。その音を聞いたその修行僧は、魔法のように懐から握り飯を出して言った。「くうかい?」 ※実在の人物、団体、事件、商品とは関係ありません。