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2002/11/15
Weekend Theater ID:332



おはよ~。

七五三です。

さて、今週もいよいよ週末。
一週間お疲れ様でした。
忙しい中、一服の清涼剤。
ご存知金曜ホラー劇場。
お楽しみください。


四谷綱紀は、長年師事した演出の大家で、
今は辛口の批評家で知られる蜷山幸雄の
門下を出、「遠い足音」という舞台を
初めて完全演出した。
蜷山は彼の実力を認めてはいたものの、
初演出の舞台は期待していなかったので、
その舞台をまだ見てはいなかった。
ところがこれが大変な評判になり、各界から
絶賛を受けロングランが決まった。
蜷山はさすがに周りから批評家として
見に行くべきだと言われ、重い腰を上げた。
四谷はスタッフ達と生きた心地がせず、
じっと舞台に見入る蜷山から目が離せなかった。
舞台が終わり、幕が下りると興奮した観客から
賞賛の掛け声があちこちに上がった。
「四谷さん!見てください!蜷山さんも立ち上がって
観客といっしょに『ワンダホーー!』って叫んでいますよ!
感動的です!」
四谷は涙を流しながら言った。
「いやっ!やぱり気に入らなかったんだ。良く聞いてみろ。」
スタッフは蜷山の声に集中した。
蜷山は両手振り上げ、青筋を立てて叫んでいた。
「なんだ!あほーーーっ!」


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