2013/11/01
Weekend Theater ID:910
おはよ~。
朝晩冷えてまいりました。
ご自愛ください。
さて、今週もいよいよ週末。
一週間お疲れ様でした。
忙しい中、一服の清涼剤。
ご存知、金曜ホラー劇場。
お楽しみください。
伊集院 涼子シリーズ2
番外編
涼子は防衛省の幕僚室で、中国製のアイロンの目の前にして統合幕僚
長の話を聞いていた。
「涼子君、再びご足労願って申し訳ない。御社社長にお聞き及びだと
思うが、この中国製のアイロンに一般家庭で普及している無線LAN回
線を盗むチップが仕込んであって、その回線から大量のスパムメール
が送信される仕組みになっている事がわかった。
このアイロンを大量に輸入したロシアの家電販売社がロシア政府を通
じて中国のメーカーに抗議したが、メーカーはそういう仕様であるこ
とは事前に明確であると言い、買うほうが悪いと言わんばかりだ。
しかも中国政府もこれを支持したため、外交問題に発展しつつあるの
だ。
だが、誰が見ても中国メーカーに非があるはずのこの事件、中国政府
が支持する根拠をプーチン氏が警戒している。
非は向こうにあるとした強気の外交を推し進めるには、完全な非を証
明しなければならない。
だがもしかしたら、中国は何か思わぬ根拠を持っているから一見無謀
な支持をしているのかも知れない。
もしそうなら、その根拠を事前に知らないと、外交で手痛いしっぺ返
しを食いかねないと言うわけだ。
そこで涼子君、君の出番だ。プーチン氏ももちろん君の実績はKGBを
通じて良くご存知で、今回内密に外交筋を通して君に調査を依頼して
来たのだ。
この中国の無謀にも思える支持の根拠を、ぜひ調査してほしい。」
幕僚長の話を聞き終えると、涼子は話の間ずっと目にしていたアイロ
ンの化粧箱を指差し、微笑みながら言った。
「幕僚長。ここに堂々と根拠が書いてあります。『どろぼう アイロ
ン』と。」
幕僚長は驚いて箱を取り、そこに大きく書いてある英語を確かめた。
「・・・ああっ!これは中国製に良くある『STEAM IRON』の誤植では
無かったのか!『STEAL IRON』とは!!」
※実在の人物、団体、事件、商品とは関係ありません。