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2014/04/19
Weekend Theater ID:934

おはよ~。

新緑の芽が吹き始めてます。

さて、今週もいよいよ週末。
一週間お疲れ様でした。
忙しい中、一服の清涼剤。
ご存知、金曜ホラー劇場。
お楽しみください。


ドロクワ・アイゼルベルグは、地味で目立たない中年女性の
変装が得意な、若いが経験のあるエージェントだった。
彼女は欧州対外行動局機関として秘密裡に設けられた
EU情報局局員として欧州委員長の特命を受け行動していた。
数々の武勇伝がある彼女は、驚きと尊敬を込め”Magic"の愛称で呼ば
れていた。
「さて、Magic。今回の指令だ。セバストポリ海軍要人という事以外
、接触相手の情報は何もない。だが君ならできるだろう。」
委員長はMagicに板チョコを渡した。2枚の薄い板チョコには指令が書かれていた。
Magicは目を通し、少しの間目をつぶると息を吐き、板チョコをバリバリ食べた。
「指令が多くなるとダイエットに困りますわ。」
言いながらMagicは委員長にウインクした。

地味な観光客になったMagicが運転する車は、ルーマニアのコンス
タンツァにあるシュ-ルレアリスムの巨匠の名を冠した、うらぶれた
ホテルに着いた。
ここで黒海を渡ったクリミアのセバストポリ海軍基地からの要人に
接触する手はずになっている。
ロビーで観光ガイドを読むふりをしながら、見たことも会ったことも
ない相手をまった。容姿や目印の事前情報がない相手を、読み違えな
いよう接触するのは経験と技術があっても難しい。
MagicのMagicたる所以がここにもあった。
「ドーブロホ ラーンク。ミルクはお飲みになりました?」
Magicがウクライナ語で合言葉を言った相手は目をみはった。
「ドーブロホ ラーンク・・。一昨日飲んだよ・・。なぜすぐ分
かった。」
Magicの横に座りながら相手は小声で言った。
「ふふふ。あなたが一番『要人』深かったもので。」


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