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2017/06/23
Weekend Theater ID:1098

おはよ~。

夏至も過ぎ、夏本番です。

さて、今週もいよいよ週末。
一週間お疲れ様でした。
忙しい中、一服の清涼剤。
ご存知、金曜ホラー劇場。
お楽しみください。



伊集院涼子シリーズ 番外編


涼子は久々に社長の接待にアテンドした。
中東の風雲児と言われる男が、
テロリストとの交渉に成功し、
会社の念願だった石油パイプラインを確保できたらしいのだ。
「『カタールのアラジン』と言われている男だ。ターバンは巻いていないがな。」
会社がセットした料亭で、涼子と社長はその男が現れるのを待った。
仲居の声と共に開いた障子から現れたその男は、
髭ずらに満面の笑みを浮かべていたが、
すこしなよなよした感じだった。
タフな交渉事を成功させた男とは思えなかった。
「あら、おそくなりました、うふ。」
(え?そっち系。)
涼子は社長に目配せした。社長は半笑いにみえた。
「あら、ここに座るの?あら、あたし胡坐できない。」
男は横座りになった。
「あら、恥ずかしい。」
涼子は失笑を押さえるのに必死だった。
「彼、日本語うまいだろう?」
社長の言葉にその男はかぶせ気味に言った。
「あら、あら。5年も留学してたのよ。あらいやだ。」
(さっきから「あら」が多い・・。)
涼子ははたと気が付き、思わず言葉が出た。
「なるほど!『あら人』!」





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