2020/10/23
Weekend Theater ID:1272
おはよ~。
朝晩が冷え始める
霜降になりましたね。
さて、今週もいよいよ週末。
一週間お疲れ様でした。
忙しい中、一服の清涼剤。
ご存知、金曜ホラー劇場。
お楽しみください。
霊感刑事
有栖川 公司
「切子」
有栖川は強盗殺人事件現場に到着した。
事件のあった江戸屋敷では
盗まれたらしい物を
所有していた二人の使用人が
容疑者として挙がっていた。
先に現場入りしていた部下の和戸が言った。
「害者は家族にも見せたことが無いという
江戸切子初期の名作『加賀久』
を金庫に所有していたらしいんですが、
金庫が空になています。
話によるとその『加賀久』、江戸時代の
名工が制作に2か月を要した逸品だそうです。」
和戸は並べて置かれた切子のガラスを指さした。
「2名の容疑者の自宅から見つかったそれらしい
江戸切子がこれらです。
容疑者Aが隠していた物はこの大きな花瓶で、色をかけた
ガラスの切子が素晴らしい。
容疑者Bが隠していた物はこっちの比較的小さな
蓋つきの壺で、色は無いがクリスタルな
切子の輝きが素晴らしい。
私は制作に2か月かけたものだってことで、
この大物の花瓶じゃないかと
踏んでるんですがね。Aが犯人ではと。」
2つの切子を眺めていた有栖川は
右手の人さし指と中指を額にあててしばらく考えていたが、
やがてパチンと指を鳴らし、その指で壺を差して叫んだ。
「私の霊感が働いた!犯人はBだ!」
「警部!なぜ?」
「これがふたつきだ。」
※実在の人物、団体、事件、商品とは関係ありません。