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2018/03/23
Weekend Theater ID:1137

おはよ~。

桜、咲きました。

さて、今週もいよいよ週末。
一週間お疲れ様でした。
忙しい中、一服の清涼剤。
ご存知、金曜ホラー劇場。
お楽しみください。


会場では多くの観客がじっと作業を見守っていた。
造園のコンペ最終戦。新進気鋭の若手造園家、
西城卓と、伝説の造園家、宇治是清の戦いだった。
制限時間は2時間。2坪の石庭が課題だ。
西城は黒土と陶芸につかう粘土を乾燥させた真っ白な
砂をつかって地面に絵をかき、そこへ石を並べて積み上げてゆく。
なんとも現代的な造形が出来上がっていった。
「おい、西城、もう完成じゃないか?
石積みが見事なバランスだな。美しい。」
一方、宇治といえば、使い古した地下足袋で、
「土台か大事。基礎が命。」
と念仏のように繰り返しながら
敷き詰めた黒土と砂利を丁寧に何度も踏み固めていた。
宇治はこれに大半の時間を費やした。
「お、宇治が石を積み始めたぞ。
あんなに積んで大丈夫か?だが重厚感があって
これも見事だな。」
両者時間内に出来上がり、審査員の評価が始まった。
そのとき、軽い地震が起きた。会場がざわめく中、
微妙なバランスの西城の作品はガラガラと音を立てて崩れ去った。
踏み固めた土台がしっかりしていた宇治の作品はぴくともしなかった。
宇治はどや顔でいった。
「どーだい。」






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