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2018/12/21
Weekend Theater ID:1176

おはよ~。

今年も残すところ一週間。

さて、今週もいよいよ週末。
一週間お疲れ様でした。
忙しい中、一服の清涼剤。
ご存知、金曜ホラー劇場。
お楽しみください。


「世界はあなたを待っている」
第四回

「ワーロック」

ユニバーサルのセキュリティ部門部長 戸田が
AIディスプレイ「オクト」から部門のメンバー、西園寺愛達にメッセージを
送った。
「ハーウエイの件は皆承知の事と思う。ハーウェイの通信機器に仕込まれたスパイチップは、
先日ミス・チャンと西園寺君が特定した『クラウドホッパー』のパターンと一致する事が、
『ファイヴアイズ』幹部からの情報で判明した。これは国家的な情報組織が絡んでいる事を示している。
つまり君たちが対峙しているのは『ワーロック』が率いるクラッカー集団ということになる。
現在ファイヴアイズとの協力体制を模索中だが、君たちも心して事に当たってほしい。」
部員たちからどよめきが起きた。
「・・ワーロック・・。愛、私怖いわ。」
愛は身をすくめるモニカ・チャンの手を握った。
愛もそのあだ名は聞いたことがある。ギリシアの
「アストラ」と呼ばれる数学者ハッカーが
2005年にフランスの軍事企業から情報を抜き取り
警察に逮捕された事件があったが、実は「アストラ」を盾に
した別のハッカーの存在がささやかれていた。
それが魔人という意味の「ワーロック」だと言われていた。
彼は数々の軍事機密を各国から抜き取っているらしいことが
アノニマスによって公表されていたが、事実関係は今もって不明のままだ。
愛が提携交渉していた頃、酒の席で調子に乗ったサウジの皇太子から、
中国と連携して世界情報戦で優位に立っているという自慢話を
聞いたことがあった。その時中国ITの魔人、「ワーロック」の
名も漏れ聞いた。中国のアノニマス出身であるモニカが恐れるのも
無理はない。
「大丈夫よ、モニカ。私たちのタッグはサイーバー空間で最強よ。」
警告音が鳴った。
「関東精機の経理部門にポートスキャン検知!」
課長の白土が声を上げた。
「西園寺君!シールドを!ミス・チャン!トレースを!」
サーバーの通信可能なポートを探り、そのポートからサーバへ侵入する古典的な
手法だ。だが愛は防御用のコードを打ちながら違和感を覚えた。
大企業相手にあまりにも単純すぎる。おとりか。
「課長!他の部門に注意です!」
「うお!やばい!」
経理部門に気を取られている間に精密機器部門の情報が漏れ初めていた。
すぐにディスコネクトしたが、10%ほど情報が漏れたらしい。
がっくりと肩を落しながら白土は聞いた。
「西園寺君、今の攻撃パターンは・・?まさか・・。」
「はい。魔人、ワーロックです。」
「まじ か・・。」















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