2019/08/30
Weekend Theater ID:1212
おはよ~。
八月最後のシアターです。
さて、今週もいよいよ週末。
一週間お疲れ様でした。
忙しい中、一服の清涼剤。
ご存知、金曜ホラー劇場。
お楽しみください。
霊感刑事
有栖川 公司
第15回
「大棚」
江戸時代から続く老舗の乾物問屋の
「角伊勢」で殺人事件が起きた。
歴史のある大きな建物は、1階が店舗で
2階が丁稚など使用人が住む寮になっていた。
被害者は青森から出てきた丁稚の村田たく。
店舗の2階にある寮の自室で
何者かに頭部を殴打された。
外からの侵入の形跡はなく、
その日はお盆休みで、使用人は被害者以外
皆帰省していた。
その日建物の1階、主人部屋にいた当主の
宗助、同じく1階の番頭部屋にいた番頭の
茂助が容疑者としてあがった。
しかし、両方ともしっかりしたアリバイが
あった。
取り調べに当たった有栖川は両方に質問した。
「直前まで棚卸の準備をしていたと聞いた。
仕事を切り上げて良いと言ったのはどちらかね?」
番頭が答えた。
「まだ少し残りがあるから、台所で休憩するように
言いました。」
主人が答えた。
「私がもう2階に上がって休んでよいといいました。」
公司は右手の人差し指と中指を額に当てるとしばらく天を仰ぎ、
ぱちんと指を鳴らした。
「私の霊感が働いた。犯人はお前だな?証言はみな嘘だ。」
公司は主人を指さした。
主人はうろたえたように叫んだ。
「なぜ!」
公司は静かに言った。
「でっちあげた。」
※実在の人物、団体、事件、商品とは関係ありません。