2020/06/19
Weekend Theater ID:1254
おはよ~。
疑心暗鬼:
疑心が起こると、
ありもしない鬼の姿が見えるように
何でもない事まで恐ろしくなる。
世界が平和でありますように。
さて、今週もいよいよ週末。
一週間お疲れ様でした。
忙しい中、一服の清涼剤。
ご存知、金曜ホラー劇場。
お楽しみください。
「世界はあなたを待っている」
第十一回
「新人」
「今日から配属になった顔認証を含む
ビッグデータ担当の寺田翔君だ。」
戸田部長の後ろに隠れるように立っている
その男が寺田翔だった。
地味なスーツに黒縁の眼鏡をかけ、
すこしボサった髪の、
いかにもお宅の風情で暗めの男だった。
「顔認証系のビッグデータって言ったら今花形だけど
個人情報てんこ盛りじゃない。いかにもお宅って、
コンプライアンス的に大丈夫かしら。」
モニカが愛に小声でささやいた。
「モニカ君?何かな?彼はちょっと音楽の趣味とか
・・なんだっけ?ヒップほっぱ?とかだっけ?
ちょっと西洋かぶれな面はあるけど、地下で
活躍していた頃から信用は絶大だよ。」
地獄耳の戸田がモニカにウインクした。
「ヒップホッパーに『西洋かぶれ』って・・。
欧米とかじゃないの?どうなの?ねぇ。」
モニカが笑いをこらえてゆるんだ口に
手を添えながら言い、愛の肩に自分の肩を軽くぶつけた。
「さあ、自己紹介したまえ。」
今度はモニカに一瞥だけして戸田が寺田に促した。
寺田は大きく息を吸うと、人が変わったように
声を張り、足踏みのリズムに乗ってラップを始めた。
「みなさん、これが挨拶、スーツとマイシャツ、
革靴はいた奴、それが寺田翔、お初にshow
見た目はslow、それが仕様、しょうがない翔、
よろしくしよう!Say!Yo!さあみんなでセイYo!せいYo!」
モニカがあきれたように小声で言った。
「ほんとだ。せいYo!かぶれだわ。」
※実在の人物、団体、事件、商品とは関係ありません。