2021/04/23
Weekend Theater ID:1298
おはよ~。
春のやわらかな陽ざしに感謝。
世界が平和でありますように。
さて、今週もいよいよ週末。
一週間お疲れ様でした。
忙しい中、一服の清涼剤。
ご存知、金曜ホラー劇場。
お楽しみください。
「世界はあなたを待っている」
第十二回
「間隙」
ユニバーサルのセキュリティ部門では
白戸課長の重い口調でブリーフィングが始まった。
「昨日未明、内閣府の外部共有サーバーに
ハッキングの痕跡が発見された。
被害は捜査中だが、数ギガバイトに
達する見込みだ。この共有サーバは
我が社のクライアントが開発した、
クラウドアプリケーションを使用していた。
今回はそのアプリの未発見な脆弱性を突いた、
いわゆる『ゼロデイ』攻撃だった。」
「つまり開発者より先に脆弱性を
発見して修正される前に攻撃するっていう
厄介なやつですね?」
寺田翔が口を挟んだ。
「翔、しょぅの通りだ。そこで皆には
当社のアプリが同様に『ゼロデイ』の
危険が無いか、総当たりしてもらいたい。」
「翔、しょぅあたりしま~す!」
課長のおちゃらけも翔の返しも無視して
全員が作業にかかった。
ほどなく愛は、通信サブシステムの中間アプリ
に『ゼロデイ』の危険を発見した。
「課長!メインのオクトへディスプレイします!」
愛が問題の箇所をディスプレイに示した。
愛はさらに攻撃痕跡が無いかログを流し、
モニカが解析を始めた。
「あった!」
モニカの声で全員に緊張が走った。
モニカは発見したログを詳細拡大した。
白戸が緊張した声で言った。
「翔!ログ宛先のデータ損害は!」
翔は楽器を扱うようなキーボード操作の後、
固唾を飲む皆に親指を立てながら言った。
「ゼロでい!」
※実在の人物、団体、事件、商品とは関係ありません。