2022/04/22
Weekend Theater ID:1350
おはよ~。
合成して得られる栄養物質は死体の
模倣に過ぎず、そこには光による
励起、すなわち生命が存在しない。
サプリメントと自然食品の決定的な
違いがここにある。
~ビル・ネルソン博士~
(アポロ13号帰還の立役者となった
天才科学者)
さて、今週もいよいよ週末。
一週間お疲れ様でした。
忙しい中、一服の清涼剤。
ご存知、金曜ホラー劇場。
お楽しみください。
捕虜の男は敵情報部の高官であると
思われていたが、かなり高度な訓練を
受けているらしく、黙秘を続けていた。
「自白剤も効かないとは。
あとは死ぬ寸前までの
拷問しかないのでは?」
軍曹は上官の少尉に静かに言った。
「いや、体へのダメージは、痛みによる憎しみを
増す事で耐える訓練を受けているはずだ。
下手な拷問はせっかくの情報源を失うだけだ。
仕方がない。ドクター・スチューベンを呼ぼう。」
少尉の言葉に軍曹は動揺した。
「あの『博士』と呼ばれているドクター・スチューベンを!?」
ドクター・スチューベン、別名『博士』と呼ばれる男は
死刑判決を受けている重大犯罪者だ。
死のメンタリストとも呼ばれ、この男と会話した
人間は精神のバランスを失い、廃人に
なるまで彼の思い通りに動く奴隷となってしまう。
「死刑執行にならずにいるのは、こんな時に利用
するためだ。」
少尉は冷たく言い放った。
「外の音を聞くだけの防音メットを被らされていて、
会話出来ないはずなのに、この一年で看守が3人も
廃人になったらしいじゃないですか!くわばらくわばら。」
軍曹の声が震えた。
事情を含められた『博士』は到着すると、捕虜の独房へ入れられ、
会話ができるよう防音メットのマイクが遠隔でオンにされた。
監視側の安全のため、音声を切った監視カメラには、
押し黙っていた捕虜が、おとなしくデジタルノートに
筆記を始めた様子が映し出された。
驚くべきことに捕虜は、敵の投入兵器、規模、
配置と通信手段、使用暗号、前線司令部の場所と将軍名まで
すらすらと書き、気を失った。
博士は監視カメラに向かってニヤリと笑った。
軍曹は震えながら言った。
「すごい!あっという間に全部はかせたのか!!」
少尉は小さくつぶやいた。
「・・さすが『はかせ』」
※実在の人物、団体、事件、商品とは関係ありません。