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2022/07/29
Weekend Theater ID:1364

おはよ~。

何度でも騙されるお人よしは
騙す者に罪を犯させる大悪人。

さて、今週もいよいよ週末。
一週間お疲れ様でした。
忙しい中、一服の清涼剤。
ご存知、金曜ホラー劇場。
お楽しみください。



「おじいちゃん、お金って何で怖いの?」
「あ、それ俺も聞きてぇ~!」
孫と孫の友達が縁側のおじいちゃんに
話を聞きたがった。
おじいちゃんはゆっくり話し始めた。
「昔々、縄文人という穏やかな人々がいた。
そこでは、得意な人が得意な物を作り、
お互い物々交換で暮らしが成り立っていた。
足りない物は、隣の村や、その村の間を
旅する旅人が用立て、互いに助け合う事で暮らしが
成りたっていた。この穏やかな暮らしは
貪欲を捨て、助け合わなければ成り立たない。
だから戦争も無ければ争いや犯罪もほとんど無かった。
だから一万五千年もの長きに渡り、平和に続いた。
ある日、海の向こうから来た貪欲な詐欺師が
考えた「金」という悪魔のシステムを、この平和な
集落に運び込んだ者がいた。「銀行家」と自分を
呼んだその男は、村人に説いて回った。
「これは『金』と言って、ただの紙切れじゃない。
お互いに来年の収獲分をこの紙で先に他の
物と交換できるようにするんだ。
収獲が出来たら、それをまたこの紙と
交換して戻してもらう。それなら欲しいものを
収獲まで我慢する必要がないだろ?
俺が村の全員にこの『金』を貸してやろう。
ただし来年の収獲の時には全員手元に
この紙を戻すように。出来なければ
家をもらうという約束でな。」
なんでも先に手に入る事が便利に見えた
村人は、今までそれを『我慢』していたのだと
勘違いしはじめ、必要以上に物が手に入る
事が「豊」に思え、すっかり銀行家の手口に嵌った。
そして期日に思うように収獲できなかった村人は
家を取られてしまった。他の村人は助けたくても
自分の金も足りなくなってしまう為、
助けられなくなってしまった。
銀行家は奪い取った家を元の主に貸し、
家賃を大きくふんだくった。
こうして季節がすぎる毎、銀行家は奪い取った
家の数を増やし、結果村を乗っ取って
しまった。結局、銀行家は何もせずに
お金という幻で村を乗っ取った。
これがお金の正体だよ。」
孫の友達が叫んだ。
「うわ~!おっかねぇ~!」



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