2022/09/16
Weekend Theater ID:1371
おはよ~。
白露が過ぎ、七十二侯の
鶺鴒鳴(せきれいなく)
の季節。公園にでも
出かけてみましょう。
さて、今週もいよいよ週末。
一週間お疲れ様でした。
忙しい中、一服の清涼剤。
ご存知、金曜ホラー劇場。
お楽しみください。
「時間の隙間」
ディック・ハワードシリーズ13
ディック・ハワードは再び日本に出張して来た。
今回の大きな目的は、イギリスの投資会社、
アトキンソンアンドフランクランドのCEO
デビッド・フランクランドとのコンタクトだった。
イギリス貴族の流れをくむデビッドは大の日本好きで、
しかも日本で食べられるスイーツが大好きだった。
世界中のスイーツがはぼ全て手に入る
東京は特にお気に入りだ。
そのせいで彼は1年の約5分の4を
東京で過ごしていた。
ディックはデビッドが提案した
スイーツ食べ放題で有名な
ホテルのラウンジで会うことになった。
ディックが時間通りに到着すると、
デビッドはすでに秘書と
席を確保して座っていた。
彼は色とりどりのスイーツが並んだ
ビュッフェテーブルの前で、
満面の笑みと共に手を広げた。
「ハワード君。どうかね!この豪華な
スイーツの数々!ブリリアントじゃないか!」
興奮気味のデビッドは、早速皿に取り、
貴族とは思えない大胆な食らいつき方を見せていた。
4皿目を取りに向かった彼は、
最後の2つとなった、特に彼が好みの抹茶
のシュークリームに手を伸ばそうとした。
だが、横からダークスーツの紳士が
2つとも取ってしまった。
「待った!それは私がいままさに
取ろうとしたのだ。返してくれたまえ!」
デビッドが声を荒げた。
ダークスーツの男は、口の端を少し上げ、
「ふん!」
と笑った。
デビッドはポケットから白い手袋を出し、
男の頬を払った。
「決闘だ!」
ディックはその過激な行動に驚き、
秘書に止めるように促した。
だが秘書は冷静だった。
「あー、スイーツを食べると良くあるんですよ。」
「どういことです?」
「けっとう値が上がっちゃうんです。」
※実在の人物、団体、事件、商品とは関係ありません。