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1996/11/01
Weekend Theater ID:16

皆様の一服の清涼剤、おなじみウイークエンドシアターの時間です。
お楽しみください。

ハードボイルドOL
伊集院 涼子シリーズ
第一回
「別れ」

今日、涼子は本当についていなかった。
ある大手商社に勤める彼女は、入社5年目
の慣れもあってか、仕事で凡ミスをしてしまうし、
なによりさっき、別れ話を彼の方から
切り出されたのにはまいった。
確かに彼が言わなければ、自分から言い出すつもり
だったのだが、やはり相手から切り出されるのは
ちょっとプライドが傷つく。
なにしろ別れる最大のきっかけは、
彼のこんな一言だったから。
「おまえって『ドンカン』だからな。」
今思い出してもショックな彼の言葉を思い出しながら、
彼の最後のプレゼントだったスカーフを捨てようと、
駅のゴミ箱に近づいた彼女は自分の目を疑った。
そこにはこう書いてあった。
「ビンカン専用」
彼女は今日、まったくついていなかった。





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