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1996/12/13
Weekend Theater ID:22

皆様の一服の清涼剤、おなじみウイークエンドシアターの時間です。
お楽しみください。

ハードボイルドOL
伊集院 涼子シリーズ


第七回
「言語」

ロイズの本社で会うサー・オッペンハイマーはさすがに
威厳があり、近寄り難い様な雰囲気を持っていた。
世界のオッペンハイマーという名にふさわしいと思わせるに
充分だった。
彼はしかし涼子達をみると満面の笑みを浮かべ、
人なつっこく話しかけてきた。
「やあ。良くきたね。歓迎します。私のオフィスで
話しましょう。」
格調のあるクイーンズイングリシュで話す彼は、
まさに貴族と呼ぶにふさわしく思えた。
けっして豪華ではないが、歴史を感じさせる調度品が
並ぶオフィスで、彼はまた日本の話しになった。
「ワタシモ、スコシニホンゴハアナセマス」
彼が外国人らしい発音で日本語を喋り始めたのには、
社長も涼子も少し驚いた。
「どこでお習いになったのですか。」
涼子が日本語で聞いた。
「ア、ア、シリアイノエイコクジンデ、ニホンゴシャベレマス。
カレカラ、オナライマシタ。」
不覚にも社長も涼子も「オナライ」に反応してしまった。
サー・オッペンハイマーは怪訝な顔で、
”Is my Japaneese funy?”
急に英語に戻って聞かれた社長は、日本語で答えてしまった。
「いえッ、サー」
サー・オッペンハイマーの機嫌を直すのに、社長と涼子は2日滞在を延ばさなければ
ならなかった。





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