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2001/02/23
Weekend Theater ID:242

おはよ~。

いきなり暖かくなって、
ちょっとウキウキです。

さて、今週もいよいよ週末。
一週間お疲れ様でした。
忙しい中、一服の清涼剤。
御存じ金曜ホラー劇場。
お楽しみください。


食で有名な評論家、山岡 鉄船は、
少々の後悔と共に、渋谷の猥雑な裏通りを歩いていた。
滅多に料理店など薦めない、雑誌社の編集長をしている友人が、
(あの多国籍料理をだす店は、さすがの君も
驚くはずだ。是非お勧めするね。)と、
めずらしく熱心に勧めるものだから、ついその店を
探して不慣れな場所を歩き回っている自分が少々歯がゆかった。
看板がカタカナで書かれている以外、
想像したよりずっと落ち着いた雰囲気のその店は、
期待を裏切る味の良さだった。
多国籍料理と言えば、エスニックなスパイスが
きつい事を指すと言わんばかりに、どの店も同じ様な料理を
出す事が多く、鉄船は好きになれなかったのだが、
この店のスパイスは違っていた。
何とも言えない下品なような上品なような、
懐かしいようなその香りは、今までに無いスパイスを
使っているに違いなかった。
鉄船は料理長をどうしても呼べとダダをこねた。
出てきた中東の出らしい料理長は、いつも聞かれているのだろう、
(案の定)と言う表情とともに、赤っぽい色の木の皮を彼に差し出した。
「コレ、ワタシミツケタスパイス・・・。」
かたことの日本語で言われるがまま、鉄船はその木の匂いを嗅ぎ、
思わず叫んだ。
「うわっ!たこくせー木!」


※実在の人物、団体、事件、商品とは関係ありません。

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