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1998/01/09
Weekend Theater ID:78

さて、今週もいよいよ週末。
一週間お疲れ様でした。
忙しい中、一服の清涼剤。
ご存知、金曜ホラー劇場。
お楽しみください。


霊感刑事
有栖川 公司
第一回
「事故」

警視庁特務刑事 有栖川 公司は
奥多摩の自動車事故現場にいた。
谷底40mにその車は、汚れた車腹を上に向けていた。
ただの自動車事故なら有栖川の出番ではないが、
この車のつぶれた後部座席には日本医師会の大物フィクサー
が乗っていた。彼は医師会の次期会長選に絡む厚生省
との汚職疑惑の中心人物だった。しかもカーブからガードレール
を破って谷へ墜落した道路には、ブレーキの跡がなかった。
「運転していたのは?」
有栖川が検証中の鑑識に尋ねた。
「はあ。同乗していて助かった目医者と歯医者のどちらかが
運転していたものと思われますが、
二人とも相手が運転していたと証言しています。」
有栖川は右手の人さし指と中指を額に乗せると、
しばらく天を仰ぎ、また鑑識に聞いた。
「事故当時の天気は。」
「はあ、濃霧だったそうです。」
有栖川はパチンと指を鳴らし叫んだ。
「私の霊感が働いた!
悪いのは『しかい』だ!」





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