2012/03/09
Weekend Theater ID:825
さて、今週もいよいよ週末。
一週間お疲れ様でした。
忙しい中、一服の清涼剤。
ご存知、金曜ホラー劇場。
お楽しみください。霊感刑事
有栖川 公司
「たばこ」
「それがね、害者の手に新しいやけどがあってね。
恐らくホシと揉みあった際に付いたんだろうね。
害者はたばこはやらんから、ホシは喫煙者とみて
まちがいないだろう。」
薄汚れた白衣の前を、着ている意味があるのかと思うほどはだけ、
皺くちゃの顔の中に鋭く光るまなざしを公司に向け、
ベテラン検死官の奥田はつぶやくように言った。
「じゃあ、重要参考人で任意同行をかけた白鳥郁夫が喫煙者
であればやはりやつの犯行の可能性が高いと!」
今回の事件で部下についた若い大倉は色めきたった。
有栖川は右手の人差し指と中指を額に当てるとしばらく天を仰ぎ、
大倉に向き直ると言った。
「白鳥は犯人じゃない。」
「ええっ!なぜです!」
大倉が声を上げた。
有栖川は指をパチンと鳴らし、言った。
「白鳥はスワンよ。」
※実在の人物、団体、事件、商品とは関係ありません。