年代へJump
2012/11/24
Weekend Theater ID:861


おはよ~。

今年の暖冬予報は一転、寒い冬だそうです。

さて、今週もいよいよ週末。
一週間お疲れ様でした。
忙しい中、一服の清涼剤。
ご存知、金曜ホラー劇場。
お楽しみください。



その人の手は長くしなやかな指と、
きれいな桜色の爪を持ち、透き通るような肌をしていた。
だが、その華奢そうな手が一度編み棒を動かし始めると、
まるで良く鍛錬されたアスリートだけが持つ強靭でのびやかな筋肉が
、全ての動きから無駄と無秩序をなくして奇跡を起こすように、
一本の毛糸が彼女の手の間から、見る間に美しい形を現しはじめた。
彼女の作品は高く評価され、編み物の第一人者といわれていた。
ある民放で彼女のアトリエから番組を生放送することになり、
いよいよ本番となった。すこし現代っ子な感じの若い女性アナウンサ
ーが少しだけ興奮気味に司会進行役をこなしていた。
「先生の作品は完成度の高さもさることながら、
 やはりデザインも本当にすてきです。
 今日は特別に先生のアトリエから生放送でお送りしています。
 先生、ここに並べていただいたのは、最新作ですか?」
「はい。中でもこれは先ほど完成したばかりです。」
「まあ!なんという色使いとデザインでしょう。すばらしいですね。」
「ありがとうとざいます。」
「先生、これはウール?」
「いえ、売りません。」


※実在の人物、団体、事件、商品とは関係ありません。
All rights reserved by NY