銀の雫応募作品集

 NHKの厚生文化事業団が行っていたNHK銀の雫文芸賞。残念なことに31回目の2018年で募集が終了しました。 WeekendTheaterから発展させた作品や、ヘビーメタルの新境地等、「高齢社会をどう生きるか?」をテーマに、生きがい、介護、世代間の交流など人々の生きるさまを豊かに力強く描いた小説を募集する という趣旨を無視して、9回応募。すべて落選。テーマ無視なので当然ですが。ただ公に名のある審査員に目通してもらう機会があるのは、自分なりに励みになった気がしたので続けてみました。 ただ、小林秀夫氏曰くの「3項も読めば大抵の作品は想像がつく。そういう力量がなければどんな作品も評論はできない。」は真とも思えるので、3項も読んでもらえてはいないかもしれませんが。 原稿用紙20枚程度という短編縛りなので、すらすら読める(?多分・・)と思います。お楽しみあれ。

覚えていたい

父親と同じ旋盤工だった尾島権蔵は、父親の工場が閉鎖に追い込まれて以来、アルバイトとわずかな貯金で暮らしていた。ある日、近くにできた弁当屋で働く、とびきり美人ではないが不思議な魅力をもった娘と出会う。

3日間だけ神にしてやろう

突然の事故で家族すべてを失くし、自ら命を絶つことさえできないくらいどん底に生きる男。彼の目の前に「神」と名乗る男が現れた。果たしてその「神」は何の目的で彼の前に現れたのか。

心眼

戦後進駐軍の払下げ物資を扱う中で、真贋の目を養った善三は、神田で有名な古物商になった。真贋を見抜くその目は真贋にかけて「心眼の善三」と呼ばれていた。ある日善三の孫が居る時、老夫婦が絵画を持ち込んできた。

きゃー

初老を過ぎた昭信は、ある日暗がりで襲われている女性を助けようとケガをする。助けるどころかその女性にケアされて恥ずかしい思いをした昭信は、体を鍛えようとスポーツクラブに通った。ある日、またその女性が襲われそうになっている場面に遭遇する。

桃源郷

慶介は大学時代にであった、ある伝説の都市の虜になった。世界中を旅してまわり、あらゆる関連書物を研究し、ついにかれの生涯をかけた探索となったその都市にいよいよ迫った。 WeekendTheaterの題材を短編化しました。

魔法の言葉

体の弱い俊夫は、夫婦仲の悪い両親に気を使いながら生きていた。ある日両親が雇った秀子という家政婦に出会い、俊夫は物事を新たに見直してゆく。結局離婚となった両親は、敏夫を施設に預けようとしたが、敏夫はすきを見て逃げ出す。

Child Metal

音楽評論家の岩夫は、動画サイトがきっかけで世界が注目した、日本独自のアイドル文化とメタルロックが融合した新しいジャンルを批判してSNSが炎上した。そんな折、世界的なメタル音楽の雑誌の日本支社の編集長からインタビューの申し入れがあった。

大学のゼミで形成期の心理的な影響を勉強する俊哉は、恋人のめぐの隣人の老人に興味を示す。老人は子供の頃、満州から引き揚げてきた経験を持つらしいことを知り、会食の機会を持ちたいと願った。純粋に老人の記憶と形成期の影響に興味があった。

龍の喉

母親の連れてくる男たちに怯えながら、祥はベランダから見える景色に描く空想世界に逃げ込んでいた。ある日、やり場のない恐怖にかられた祥は、空想を確かめようとベランダから見えた場所に勇気をだして行って見ることにした。